リーダー語録:木村佳司さん3

2016.11.21 (月)

その後、株式会社メディネットを創業しました。メディネットは、主にがんの免疫細胞治療の開発・実用化に取り組む会社です。当社は創業以来、免疫細胞治療にフォーカスして事業を進めてきましたが、それは幼い頃に小児ぜん息だった体験が背景にあります。「ぜん息を治したい。健康になりたい」とずっと思っていました。それに、ぜん息は免疫疾患で、薬では根治が難しく、体の免疫力をのバランスを整えることで快方に向かう病気です。そのため、当社を立ち上げたときも、免疫の領域で新しい事業を始めたいという思いがありました。

 

起業するまでに、いろいろな会社で経験を積みました。でも、振り返ると無駄なことは一つもありませんでした。ぜん息になったことで「免疫療法」を知った。染物屋では「研究方法」を知り、金属会社では「(細胞培養加工施設の参考になる)クリーンルーム」を知る。HOYAでは「医療ビジネス」を知り、赤字会社の立て直しでは「経営」について学ぶことができました。いろいろと苦労をしてきましたが、逆にそれが良かったと思っています。苦労や失敗をしたときの方が真剣に考えますので、そのときの経験が役立っているからです。

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