MBA体験記27~東出ゼミ2~
東出ゼミでは最初の半年に「方法論」を学ぶ。
方法論とは、正確ではないかもしれないが簡単に言うと、こんな感じ。
「ある課題に対して、より正確に解を導き出すための一連のプロセス(方法・手段)」。
例えば、新商品を企画する場合を考えてみる。
顧客ニーズをつかもうとアンケート調査を行うとする。
その際、どのような対象に対して、どのような質問項目にするのがいいのか?
どうすれば、より正確に顧客のニーズを把握することができるだろうか?
あるいは、アンケート結果をどのように統計分析すれば良いか?
方法論とは、その「正しいやり方(方法)」のことである。
仮に、全国展開を考えている商品があったとする。
それに対し、例えば東京在住の3名にしかアンケート調査をしなかったとする。
極端だが、それでは適切とは言えない。
それでは、「どのようなサンプリングをすれば良いのか?」
東出ゼミの授業では、そういった方法論を学ぶ。
先の誤ったサンプリングの例のように、正しい方法論に基づかないで結論が導き出されることがある。
でも、その結論は、概して誤っている確率が高い。
それに基づいて意思決定を行うことは会社にとって大きなリスクとなる。
ここに方法論を学ぶ意義がある。
なお、アカデミックなケースにおける方法論というと、こんな感じになる。
「理論を構築・検証するための一連のプロセス」。
以下に東出ゼミで学ぶ方法論の項目の一部を列挙する。
「研究計画」、「研究デザイン」、「文献調査」、「データの種類」、「リサーチ・クエスチョン」
「演繹法と帰納法」、「モデルと理論」、「質的研究と量的研究」、「サンプリング」、「質問票の作成」
「データの収集と分析」、「妥当性と信頼性」
東出ゼミでは、これらの項目を1年秋学期の半年間ですべて学ぶ。
実際は、秋学期だけでは足りないので、半分近くは夏合宿(3日間)で学んでしまう。
そのため、合宿は朝から晩まで勉強漬けとなる。
その後は、週に1~3程度のテーマをゼミの同期で分担して調査(英語の文献調査)する。
そして、プレゼン資料を作成し、クラスで発表する。
授業では、他のゼミ生からの指摘や質問に逐一、答えていくのである。
これらはすべて英語で行われる。
日本語でも難しい内容を英語で行うので、その厳しさは半端ではない。
予習だけで週の半分くらい潰れることはザラにあった。
しかし、ここで学んだことは、その後の修論や修了後に仕事を行う上で、大いに役立つのである。
(注)内容は、2005年当時のもの。
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