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<修士論文>
チームにおけるアイデア創出プロセスの探索的研究
~クリエイティビティを高めるリーダーの役割~
(早稲田大学大学院アジア太平洋研究科(MBA)、渡邊将志、2006年)
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論文の要旨
研究の目的
本研究の目的は、チームとして創造的なアイデアを生み出すプロセスを解明することにある。噛み砕いていうなら、「組織内に、ごくごく普通の人たちしかいなくても、彼(女)らが集まってチームを結成し、個々の力を結集させることで、カリスマと呼ばれる人たちと遜色のない創造的なアイデアを生み出す方法論(プロセス)を提示すること」になる。また、本研究は、チームリーダーの視点から分析を行なう。一連のプロセスに沿って、メンバー個々の力を結集させるのは、チームリーダーの主たる役割と考えるからである。この方法論をチームリーダーが身に付けることで、どのようなチームを率いても、常に、一定水準以上のアイデアを生み出すことができるようになる。これが、本研究を行なう究極的な狙いである。なお、本研究では、創造的なアイデア(新奇性および有用性のあるアイデア)を生み出すこと、およびそのスキルを「クリエイティビティ(Creativity)」と定義する。そのため、本研究の目的は、「チーム・クリエイティビティ(Team Creativity)」を高めるプロセスの解明と言い換えることもできる。
【本研究のリサーチ・クエスチョン】
チームとして創造的なアイデアを生み出すために、チームリーダーは、いつ、何をするべきか?
- 研究の背景・意義
本研究の背景には、近年、企業が競争優位を築く上で、クリエイティビティの重要度が高まってきたこと、また、それに伴いチーム制の導入が進んできたことがある。その中、クリエイティビティの発揮、およびチーム運営の難しさがともに指摘されており、両者を同時に達成する方法論の発見が実務上、求められていた。一方、学術的な研究に目を向けると、クリエイティビティに関する研究は、「個人」と「組織」レベルの研究、およびクリエイティビティを高める「要素」の研究が圧倒的に多いことが指摘されており、筆者が知る限り、「チーム」の「プロセス」を扱ったクリエイティビティ研究は存在しない。ここに、本研究を行なう学術的な意義があると考える。
- 研究方法
本研究では、以下、二つのステップで、チーム・クリエイティビティを高めるプロセスを解明していく。
①構成要素モデルの構築
チーム・クリエイティビティに影響を与えるすべての要素を抽出し、それを構造化(モデル化)することで全体像の把握を目指す。具体的には、個人の創造性要素とチーム活動の要素を抽出した上で、それらを高めるチームリーダーおよび組織の役割を特定化する。
②プロセス・モデルの構築
構成要素モデルに、アイデア創出プロセスという時間軸を加味することで、いつ、どのようなことが、チームリーダーの役割として重要かを特定する。
- 論文構成
本研究は、六つの章で構成されている。第一章では、研究の目的および背景について触れ、本研究のリサーチ・クエスチョンおよび研究の意義を述べる。第二章では理論的背景について述べる。第三章では、研究方法について説明する。第四章では、インタビュー調査の分析を行ない、二つのモデルを提示する。第五章は、第四章での分析結果を踏まえた議論の章とし、先行研究と本研究の比較、研究の制限、今後の研究課題を述べる。第六章では、本研究の結論について述べる。
- 結論
本研究では、「構成要素モデル」と「プロセス・モデル」という二つのモデルの構築に成功した。このモデルの内、特に「プロセス・モデル」は、複雑怪奇なアイデア創出プロセスを、極めて単純化したモデルではあるが、いつ、何をすべきかのインストラクションが含まれており、実務的にも十分、耐えられるモデルになっていると確信している。本研究には、いくつかの制限があり、今後の研究課題も多い。しかし、まだ緒に付いたばかりのチーム・クリエイティビティ研究にあって、これまでにない「プロセス・モデル」を構築することができたという点では、この研究領域において、一つの道筋を示すことができたものと考えている。
[主要参考文献]
・Amabile, T.M. 1988. A model of creativity and innovation in organizations. In B. M. Staw and L. L. Cummings (Eds.), Research in organizational behavior, vol. 10: 123-167. Greenwich, CT: JAI Press.
・Amabile, T.M. 1993. Motivational synergy: Toward new conceptualizations of intrinsic and extrinsic motivation in the workplace. Human Resource Management Review, 3: 185-201.
・Amabile, T.M., Counti, R., Coon, H., Lazenby, J., and Herron, M. 1996. Assessing the work environment for creativity. Academy of Management Journal; 39,5; 1154-1184.
・Woodman, R W., Sawyer, J.E., and Griffin, R.W. 1993. Toward a theory of organizational creativity. Academy of Management Review, 18: 293-321.