MBA体験記08~ハーバードMBAとの出会い~
松井証券に入社してから、半年間は上場準備の仕事をしていました。
上場後は、一貫して経営企画部で広報IRの仕事をすることになりました。
上場の準備では、それこそ寝食を忘れて仕事をしていました。
時間をかけて自社を取り巻く内部・外部環境の情報を一通り整理。
成長戦略もロジカルに説明できるように組み立てていく。
その過程を経ることで外部に対して情報を発信できるスキルを自然と身に付けた。
そんなことから自然に広報IRを担当することになりました。
広報IR業務は主に二つの仕事がありました。
一つは、IR業務。
機関投資家やアナリストへの情報発信や取材対応、ミーティングの開催などです。
時には欧州の投資家を1週間かけて訪問する海外IRに行くこともありました。
もう一つは、広報業務。
主に新聞や雑誌といったメディアへの情報発信や取材対応です。
年間で300名ほどの様々な業種の人たちと会いました。
時にはハーバードなどのビジネススクール関係者から取材を受けることもありました。
例えば、2001年にはハーバードMBAのアップルゲート教授が取材で来社されました。
松井証券をケーススタディの教材として取り上げたいとのこと。
当時は、まだネットビジネスでの成功例があまりない時代でした。
あのアマゾンですら赤字を続けていたくらいですから…。
その中で成功している数少ない例として研究させて欲しいとの依頼でした。
複数の関係者へ取材し、最終的にはA4用紙で40枚以上にものぼるケースが完成。
タイトルは、「Transforming Matsui Securities」です。
2003年から授業で使用していると聞いています。
また、同じ年に松井証券は、「ポーター賞」を受賞しています。
この賞は、競争戦略の第一人者であるハーバードのマイケル・ポーター教授の名を冠した賞です。
ポーター教授にふさわしく、「優れた競争戦略を持つ企業」を表彰するためのものです。
この賞には、ポーター教授と親交のある一橋MBAの竹内弘高教授も関わっていました。
竹内教授から取材を受ける形で、何度かお話しをさせていただく機会がありました。
また、受賞式ではポーター教授と下手な英語で少しだけ会話をさせていただきました。
このときはとても感動しました。
30歳のとき、MBAには行かずキャリアチェンジを選び、松井証券に転職しました。
しかし、偶然にもそれにより、様々なMBA関係者と接する機会を得ました。
「あー、MBAに行くことは運命なのかな?」
そう感じたりもしました。
そして、いよいよMBAに行く決断をすることになります。
初めてMBAという言葉を耳にしてから9年の月日が流れていました。
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