MBA体験記07~内的モチベーションの力~

2015.09.12 (土)

松井証券では、当初、上場準備の仕事をしました。

入社した当時は、まだ未上場で、知名度もあまり高くありませんでした。

というよりも、ほとんど誰も知らなくて困りました…。

 

例えば、食事会に行っても不人気そのもの。

○銀行、○商事、○物産、○生命の人などと一緒のときは特に厳しかったです。

名だたる会社の後に、「松井証券の渡邊です」と自己紹介をする。

そう言うと、みんな、「え、どこの会社ですか?」という感じで、全く相手にされない。

このときは、本当に惨めな気持ちになりました。

 

ただ、自分がやってみたかった「経営企画」の仕事に携わっていること。

そして、何よりも「世の中を変える仕事をしている」という使命感や仕事に対する誇り。

これらにより、モチベーションは非常に高く、楽しく仕事をしていました。

 

また、この時期はこれまでの人生の中で一番働いた時期でもありました。

上場用の資料をつくる上で、いわゆる「3C」を頭に叩き込まなければいけなかったのです。

自社(Company)、市場や顧客(Customer)、競合(Competitor)の情報です。

これらのことを短期間で理解しないといけませんでした。

 

そして、それらを踏まえて成長ストーリーを描いていく。

「どのようにして成長していくのか?」

「資金をどのように使っていくのか?」

これらをうまく説明しないと、投資家から評価されないからです。

 

これらのことをすべてこなすため、上場前は寝る以外、ほとんど働いていた感じです。

土日もあまりありませんでした。

あったとしても、ほとんど寝て過ごしていました。

 

肉体的には、とてもきつかったです。

精神的にも、「時間がない中でやり遂げないといけない」というプレッシャーがありました。

でも、不思議と仕事がつらいとは感じませんでした。

「自分がやりたいことをやれている」

そのお蔭だと思います。

 

モチベーションには、二つのタイプがあります。

一つは、外的モチベーション。

報酬や地位をご褒美にして、やる気を出させるタイプのもの。

もう一つは、内的モチベーション。

「この仕事をしたい!」という内面から湧き上がってくるタイプのもの。

 

このときは完全に後者でした。

「何としても上場を実現させたい!」

「早く会社を成長させて、投資家が中心となる世界をつくりたい!」

そんな想いで仕事をしていました。

自分の中では、完全にフロー状態に入っていたので、仕事が楽しくできていたのです。

 

入社からちょうど半年後、無事、上場を果たしました。

初値が付いた瞬間は感無量でした。

これまでの努力が報われた想いがしたからです。

 

このときに、自分がやりたいことをやることの大切さを改めて実感しました。

それが、その後、MBAに行くことを考える上で、大きな参考となるのです。

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