MBA体験記07~内的モチベーションの力~
松井証券では、当初、上場準備の仕事をしました。
入社した当時は、まだ未上場で、知名度もあまり高くありませんでした。
というよりも、ほとんど誰も知らなくて困りました…。
例えば、食事会に行っても不人気そのもの。
○銀行、○商事、○物産、○生命の人などと一緒のときは特に厳しかったです。
名だたる会社の後に、「松井証券の渡邊です」と自己紹介をする。
そう言うと、みんな、「え、どこの会社ですか?」という感じで、全く相手にされない。
このときは、本当に惨めな気持ちになりました。
ただ、自分がやってみたかった「経営企画」の仕事に携わっていること。
そして、何よりも「世の中を変える仕事をしている」という使命感や仕事に対する誇り。
これらにより、モチベーションは非常に高く、楽しく仕事をしていました。
また、この時期はこれまでの人生の中で一番働いた時期でもありました。
上場用の資料をつくる上で、いわゆる「3C」を頭に叩き込まなければいけなかったのです。
自社(Company)、市場や顧客(Customer)、競合(Competitor)の情報です。
これらのことを短期間で理解しないといけませんでした。
そして、それらを踏まえて成長ストーリーを描いていく。
「どのようにして成長していくのか?」
「資金をどのように使っていくのか?」
これらをうまく説明しないと、投資家から評価されないからです。
これらのことをすべてこなすため、上場前は寝る以外、ほとんど働いていた感じです。
土日もあまりありませんでした。
あったとしても、ほとんど寝て過ごしていました。
肉体的には、とてもきつかったです。
精神的にも、「時間がない中でやり遂げないといけない」というプレッシャーがありました。
でも、不思議と仕事がつらいとは感じませんでした。
「自分がやりたいことをやれている」
そのお蔭だと思います。
モチベーションには、二つのタイプがあります。
一つは、外的モチベーション。
報酬や地位をご褒美にして、やる気を出させるタイプのもの。
もう一つは、内的モチベーション。
「この仕事をしたい!」という内面から湧き上がってくるタイプのもの。
このときは完全に後者でした。
「何としても上場を実現させたい!」
「早く会社を成長させて、投資家が中心となる世界をつくりたい!」
そんな想いで仕事をしていました。
自分の中では、完全にフロー状態に入っていたので、仕事が楽しくできていたのです。
入社からちょうど半年後、無事、上場を果たしました。
初値が付いた瞬間は感無量でした。
これまでの努力が報われた想いがしたからです。
このときに、自分がやりたいことをやることの大切さを改めて実感しました。
それが、その後、MBAに行くことを考える上で、大きな参考となるのです。
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