MBA体験記03~キャリアプランの作成~
私は、大学卒業後、日興証券(現SMBC日興証券)に就職しました。
最初は支店での営業でした。
いわゆる「どぶ板営業」で、会社や資産家を一軒一軒まわって営業するというものです。
これが本当につらくて、嫌で嫌で仕方がありませんでした。
「おたくの○という奴に勧められた株を買って大損したんだよ!」
「株はコリゴリだから二度と来るな!」
バブルが崩壊して4年が経っていました。
その中、株で大損した人たちを相手に「株を買いませんか?」と営業していたのです。
玄関先で塩を撒かれたこともあります。名刺を破かれたこともあります。
完全に疫病神扱いでした。
ただ、その内に親切に、懇意にしてくれるお客さまがポツポツと現れてきました。
「頑張っているね。じゃあ、ご褒美に株を買ってあげるよ」
「実は他の証券会社で取引していたんだけど、渡邊君のところに移すことにしたよ」
23歳の新人のことを信用して、多額の資金や資産を預けてくれたのです。
本当に嬉しかったので、一人一人のお客さまのことは20年経った今でも覚えています。
営業に慣れてくると、お客さまの数が増え、取扱金額も増えてきました。
すると、それにつれて会社から要求されるノルマもドンドン上がっていきました。
「今月はこれだけ達成したけど、まだいけるでしょ」
「来月はもう一段上げて、目標はこの数字にしよう」
それでも当初は何とか達成していきました。
でも、達成するごとに上がるノルマに徐々に追いつけなくなっていきます。
「お前が達成しないと、他の誰かがその分をカバーしないといけないんだからな」
「迷惑を掛けたくないなら、せめて自分の分くらいはやろうよ」
そう言われるたびに、仲の良いお客さまのところに営業に行きました。
そして、ときには強引に、ときにはお願いをして買っていただきました。
「自分は何をやっているんだろう?」
「仲良くしてくれるお客さまに迷惑を掛けてばかりいるじゃないか?」
「そもそも営業をやるために証券会社に入ったわけじゃない」
「早く営業から抜け出して、本当にやりたい仕事をやろう!」
そんなことを考えていたとき、ある本に出会いました。
その中に、「キャリアプランを書いて、毎日イメージすると実現するよ」と書いてありました。
当時は藁をもつかむ思いだったので、「よしやってみよう!」とすぐに書いてみました。
「20代で金融のプロ、30代でリーダー、40代で経営者、50代で先生になる」
そして、未来の自分の姿をイメージしました。
リーダーとして活躍している姿、先生として教壇に立っているシーンなどなど。
その後しばらくして、会社の人事部に自己申告書を提出する機会が訪れました。
ここぞとばかりに自分のやりたいことを書き連ねました。
それが結果的に私の運命を変えていくことになるのです。
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