MBAホルダーの本音27~MBAで身に付けたスキル4~
質問者
MBAでは頭での理解より体で覚えたことが身に付いたことなんですね。
実際にそれがどんな感じで役に立つんでしょうか?
渡邊
頭での表面的な理解ではないので、実践ですぐに使えるんですね。
例えば、会社でインタビューした内容と同じシチュエーションが来たときに役立つんです。
「そういえばAさんはこういう風にやってうまくいったんだな。じゃ僕もこういう風にやろう」
「こういうときにはBさんはこういうことを言っていたよな。じゃこうしてみよう」
こんな感じで実践できたんですね。
当初、テープ起こしは、ものすごい時間がかかって、すっごく嫌だったんです。
どこかにお金を払って代行してやってもらおうかと思ったこともあります。
でも、結果的には自分でやって良かったなと本当に思いますね。
質問者
どれくらいの量を文字に起こしたんですか?
渡邊
A4で200枚くらいになったと思います。
ただ、そのテキストデータからコーディング、同じ内容のものをグループ化する作業ですね。
これをやっていきましたので、その後もかなりつらかったですね。
ものすごい数のキーワードが出てくるので、それをまとめる作業はかなり大変でした。
だけど、やっているときは意外に面白かった感じもありましたね。
まさにフロー状態で、作業に没頭していた感じです。
質問者
仕事をされているときに、「あのときこう言っていたな」って思い出すんですね。
それは先生や友達の発言だったり、あるいは研究対象者の発言だけですか?
それと例えば授業で習った理論だったりすることもあるんですか?
実際は言葉の方を思い出すのか、それとも何かの理論が始点になるんでしょうか?
渡邊
理論の方はあまりないですね。やっぱり声の方なんでしょうね。
声の方がリアルですからね。頭に残っているというか、耳に残っているんです。
10人にインタビューをしたんですけど、10人のいいとこどりをしていましたね。
あるときはAさんになって、あるときはBさんになってという役割をやっていたのかなと思います。
質問者
そうすると会社に戻ったときに役に立つような研究をされていたんですね。
最初からクリエイティビティに興味は持たれていたとは思うんですよね。
ただ、それを修論のテーマにされたのはすごく良かったということですよね?
渡邊
そうですね、テーマをこれにしたのは大成功でしたね。
他のテーマでしたら、今は何もわからずに苦労していて、ここにはいないかもしれないですね。
というよりも、新商品開発の仕事をしていなかったかもしれないですね。
MBAに行く前と同じ仕事をしていたかもしれないです。
(*)インタビューは2009年12月に行われました。
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