リーダー語録:風間茂明さん1
いろいろな個性を集めて、最後に考えをまとめるのがリーダーの仕事
私は、理系の大学院を修了した関係もあり、サントリーに入社後、生産現場でコンピューターシステムを開発する仕事に就きました。その仕事に7年携わった後、いきなり烏龍茶のブランドマネージャーになりました。当時は、「マーケティングって何ですか?」という状態で右も左もわからない。部内で交わされる言葉もわからない。そんなド素人の人間が、いきなり主力商品の開発リーダーになったのです。
最初の一年は、とにかく知らないことが毎日のように起こる。でも自分は何をしていいのかわからない。部署の後輩の方が仕事はよく知っている。すべてに関して振り回されっぱなしで、自分でコントロールしている感じがない。周りに助けられながらなんとか仕事をまわしていましたが、随分と落ち込みました。二年目に入っても、まだマーケティングの業務を自分自身でまわせないまま。精神的につらい日々を過ごしましたが、三年目になり、ようやく「意外と論理的な世界なんだ」と感じられてきました。
商品開発をするとき、まず「いまのユーザーが烏龍茶を飲むときの気持ちとは?」というストーリーを仮説として考える。次にグループインタビューや一対一でのデプスインタビューをしたり、その仮説を定量的なデータとして集めるための市場調査の設計をする。そして、実際に調査をしてみて仮説が正しいかどうかを検証する。こういった仮説-検証のプロセスを繰り返していく。そして、最終的に「ブランドコミュニケーションの基本コンセプト」に仕上げていく。このプロセスを経験することで、「あ、マーケティングは論理的な組み立てが重要なんだ」ということがわかりました。
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