リーダー語録:酒井誠一さん3
二代目に必要なのは「腹を立てない力」「調整力」
私は三人目の社長ですが、創業者の父の後継者としては実質的には二代目となります。二代目は絶えず偉大な創業者と比較されます。確固たるビジネスモデルを一からつくりあげ、会社を成長させてきた創業社長は特別な存在です。一方、二代目社長、それも創業者の子息ともなると、皆本質的は社長とは思えないのが自然です。「ボンボンが来て…」とか、「親の七光りで・・・」という感覚を持ちます。皆さん大人ですから、普通はそんな態度は示しませんが、二代目が嫌がらせを受けたりするケースも結構多いのです。
それが当たり前のことであると気づくきっかけとなったのは、二代目が集まる経営者の勉強会でした。そこで、悲惨な事例をいくつも聞かされました。苦労している会社の問題は、だいたい二つに分けられます。一つは、創業者(父親)との確執。創業者にとって、会社は自分のアイデンティティであり、子供のような存在でもあります。なので、いつまでも会社を子供に引き継がない。任せられない。捨てられないのです。子供が社長になって「あれをやりたい」と言っても、創業者から止められることがほとんど。そこで対立が生まれます。
もう一つは、番頭さんとの確執。番頭さんとは創業者のNo.2や右腕と呼ばれる人。この人の方が社歴が長いので、会社のこともビジネスのことも二代目より、よく知っています。だから、二代目のことを社長と思わないし、そういう態度でも接しない。むしろ、いじめるようなことをするケースもあります。
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