リーダー語録:観音太郎さん1
最初は7町村からスタートした「最も美しい村」
私は、苫小牧市近郊の出身ですが、美瑛町に就職しました。理由は、風景が好きで居心地がいい場所だったからです。就職直前に十勝岳の噴火があり、その対策本部の活動などに参加して、町民を守ることの大切さ、大変さを身に染みて感じました。それ以来、医療や福祉の窓口を担当してきました。
美しい村運動の契機は、2000年代に始まった、いわゆる「平成の大合併」。国の大号令で複数の市町村を一つに統合する動きが広まったことです。美瑛町でも、合併すべきか議論しましたが、北海道の広大な面積の自治体同士が地域の感性を越えて合併するという無理をするよりは、町の独自性を大切にし、小さいながらも輝けるオンリーワンな自治体としての道を選びました。それ以来、町独自の魅力を「地域資源」として、アピールすることを始めました。
幸い美瑛には美しい景観がありました。しかし、小さい町が単独で地域活性の取組みをしても限界があります。そこで、フランスで30年前から始まった「フランスの美しい村」を参考に、2005年に「日本で最も美しい村」連合を7つの町村が手を組み発足させました。これは、失ったら二度と取り戻すことのできない景観や文化を守りつつ、美しい村としての自立を目指すものです。美瑛町はこの運動をさらに活発化させる意味もあって、東京に職員を常駐させることとなり、これが東京事務所へ進化、たまたまその時駐在していた私が所長となりました。
発足後10年が経ち、加盟している町村地域は60になりました。この運動を世界的に取り組むために、「世界で最も美しい村」連合会が発足、ここには、フランス、イタリア、ベルギーのワロン、カナダのケベックなど日本を含めて5か国が加盟しています。世界中の村々と連携しながら、美しい村の輪が広げていきたいと思っています。
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