リーダー語録:荻原紀男さん2
38歳のとき税理士事務所を開業しました。しかし、会計のことはわかっていても税務知識はまだまだ未熟でした。そのため開業してから必死に勉強しました。例えば、10億円の相続税の案件が来たときは、急いで本屋に行き、本を買い漁って猛勉強。切羽詰まったときの方が火事場の馬鹿力が働くのか、よく身に付くものです。仕事の依頼が来るたびに猛勉強しながら実務経験を積んでいきました。
前職からの顧客が来てくれたこともあり、比較的早い段階で事務所は軌道にのりました。でも、安定するということは、仕事がつまらなくなることでもあります。あるとき、顧客先でシリコンバレー帰りのIT技術者から、オブジェクト指向技術(プログラムを部品のように分割して自在に組み立てる開発手法)の話を聞き、「この技術はいける!」と確信。というのも、監査法人時代にシステム研修を受けていたことや監査プログラムを動かしていた経験があったからです。それまでのシステム開発は本当に必要なものを具体的にしないまま進んでいくことが多く、望まないものができあがることが多かった。オブジェクト指向技術で開発すればユーザー企業の望んだものが作れます。
そこで、オブジェクト指向技術をベースにソフトウェア開発やシステム導入などを支援する株式会社豆蔵を創業しました。ちなみに、豆蔵の社名は、プログラミング言語の「Java」に由来しています。機能ごとにプログラムが塊となって相互作用することでシステムが稼働するのですが、その塊を「Java Beans(豆)」と呼びます。それの「蔵元」になるとの思いから、「豆蔵」と名付けることにしました。
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