リーダー語録:荻原紀男さん1
投資に失敗して借金を抱える
もともとは弁護士に憧れていました。法学部を本命に大学受験しましたが、残念ながら受からず、商学部に進学しました。中学生の時に突然、父を病気で亡くし、母は一人で自分や兄妹を苦労しながら育ててきてくれました。そのため、家計を支えるような稼げる職業に就きたいという意識が強かった私は、高校の友人に教えてもらった公認会計士という職業に将来性を感じ、資格取得を目指すことに決めたのです。ただ当時、会計士は弁護士と並ぶ最難関資格。合格率も4.5%。アルバイトで学費や生活費を稼ぎながら、資格取得の勉強に励む毎日になりました。
朝8時から17時まではガソリンスタンドで働く。その後、仮眠をとって22時から資格の勉強。そしてまた朝からバイトに行く。そんな生活を合格するまでの5年間続けました。また、試験終了から合格発表までの2ヶ月間は、お金がないので食事もおぼつかない。そこで高原野菜の収穫で農家に住み込みで働いていました。5年間の過酷な受験生活の末、25歳のとき合格し、晴れて公認会計士の道へ。その後、外資の会計事務所に5年、国内の監査法人に8年在籍しました。
実は、バブル経済真っただ中の時期に投資していた株で、一度大きな失敗をしたことがあるんです。投資という形で応援していた友人の会社がバブル崩壊とともに倒産。突然多額の借金を抱えることになりました。当時、背負った借金の重圧に耐えられず、精神的に本当に追い込まれました。しかし、追いこまれる中で「なんとか生きよう!どんなことをしてでも乗り越えよう!」という覚悟を決めました。そのときから生まれ変わったように感じます。平日は監査の仕事、土日は他の仕事をして一日も休むことなく、365日ただひたすら必死に働きました。その結果、大変時間はかかりましたが、なんとか借金完済の目途が立ちました。
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