リーダー語録:荻原紀男さん3
創業から5年で株式上場を果たす
創業した当時、世はITバブルに沸いていました。「創業5年で上場」を目標に、事業内容を説明して、2億円の資金が集まりました。そして社員も集まり、仕事もきた。でも、新しい技術なので失敗だらけ。ある案件では6億円の予算に対して8億円も経費がかかってしまいました。一気に資金が底をつく。それからの1年半は休むことなく、会社で寝泊まりする日々。みんな必死に働いていました。
その内、一人去り、二人去りと社員が次々に去っていく。創業時から苦楽を共にしてきた仲間が辞めていくのは本当につらいものです。でも、「絶対に豆蔵に戻ってきてくれる」そう信じて、「また戻ってこいよ」そう言って送り出しました。実際、他社で経験を積んだ社員が「豆蔵でもう一度働きたい」と戻ってくることが相次ぎました。私の記憶では、再入社した社員は全体の1割近くいたように思います。苦しいながらも仕事をしていく内に、連結納税のパッケージソフトが売れ始めていきました。この頃から、事業がようやく軌道に乗ってきました。結果、創業から4年363日で東証マザーズ市場に株式を上場することができました。
上場後も、内部統制関連のサービスが好評となり、業績は順調に拡大していきました。ところが、リーマンショックを境に仕事がパタリと来なくなったんです。「このままの状態が続いたら会社は続かなくなる」と不安に襲われました。しかし、本来は危険を顧みずに危地に飛び込んでいくタイプ。「うちも苦戦しているということは、他社も苦戦しているはず!ということは、会社を安く買えるチャンスではないか」と2社を買収しました。その後、その2社の業績が拡大し、当社グループの飛躍に大きく貢献することになりました。
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