リーダー語録:竹内美奈子さん1
「5歳ふけたね」と言われた過酷なリーダーの仕事
私は、大学卒業後、NECに入社し、技術系社員向けの人財開発業務に10年携わりました。ただ、もともと「手に職をつけたい」との思いがあったので、「システムエンジニア(SE)になりたい」と現場への異動希望を出しました。3年間しつこく言い続けたところ希望が叶い、数十名のSEを束ねる「プロジェクトマネージャー(プロマネ)」の職に就きました。ただ、リーダーとはいえ開発経験はほとんどありません。部下たちの議論を聞いてもよくわからない。「どちらの技術を選ぶべきか?」といった判断が自分でできない。当初はつらい思いをしました。
ただ、わからないことがあれば、「なぜなぜ攻撃」で部下たちに聞きまくり、教えてもらうようにしました。また、「自分はSEたちが得意でないことを中心にやろう」と決め、ヒトやおカネの管理を積極的にやるようにしました。あるいは対顧客では、難しい技術をわかりやすく伝える。そんなことをしていく内に、次第にリーダーとしての立ち位置が決まり、自分の持ち味を活かしたリーダーシップを発揮できるようになったように思います。
いわゆる2000年問題が注目された年のあるプロジェクトでのこと。前任のリーダーが問題を一人で抱え込み、にっちもさっちもいかなくなっていたところ、プロマネの仕事を引き継ぎました。このままプロジェクトを進めれば、納期は守れるけど、「カスタマイズのお化け」ができる。それを避けるにはプロジェクトを一からやり直す。ただ、こちらは費用が余計にかかる。顧客にお詫びと共に状況を説明し、「納期と費用のどちらをとりますか?」と聞いたところ、「バカモノ!どっちもだ!」と怒鳴られました。
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