リーダー語録:田子みどりさん3
会社も家庭も壊れかけた20代
20代の前半は、「世間が見る目」と「実際の自分」とのギャップに悩みました。マスコミや講演ではカッコイイことを言う自分がいます。でも、実際はまだ20代。そこまで成熟はしていません。「本当の自分って何だろう?」と思うこともありました。仕事をしていると、女子だけのチームなので、まとめていくのが大変。学生は就職していくと辞めていくので入れ替わりも激しい。社長になりたいというモチベーションがないまま社長になったので、仕事に追われる日々に「仕事だけの人生はイヤ」と次第に思うようになりました
女性らしいライフスタイルに憧れていたこともあります。そこで25歳のとき結婚し、翌年には子供も授かりました。ただ、結婚後も多忙を極め、仕事中心の生活は変わりません。バブル経済の時期だったこともあり、会社は順調に売上を伸ばしていきました。でも、家庭の方はうまくいかずに3029歳のとき離婚しました。
そしてまもなく、バブル経済が崩壊します。売上が半分になり「会社は大丈夫か?」と社内に動揺が走りました。すると、社内の人間関係が悪くなり、辞めていく人が出てきました。さすがに、このときは「会社を売ろうかな?もうやめようかな?」と考えるようになりました。でも、辞めずについてきてくれる社員がいます。不景気なので単価は下がりましたが、取引をやめる顧客もいませんでした。「ついてきてくれる方々のために頑張ろう」と思いました。
起業したての頃は、「誰かのために会社をつくった」という意識はありませんでした。優秀な女性でも結婚しか選択肢がないことはもったいないし、活かしてくれる会社がないので自分で仕事をつくった感じです。すると、同じ境遇の人や同じ想いを持った女性が集まってきて、仕事も増えてきたきた。バブル後に苦しい経験をしたことで、初めて「集まってきた人のために私がやらなきゃ」と使命感を覚えるようになり、会社を続ける道を選びました。
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