リーダー語録:横山周史さん1
博士号からバイオベンチャーの社長へ
私は、化学の分野で博士号を取得しました。ただ、大学で教授を目指すことには全く興味がなかったんです。研究だけでは所詮、ペーパーの世界で面白くない。実験ではなく、実際にモノをつくってみたい。そう思って大学に残ることをやめ、就職活動をするこにしました。ただ、ちょうど就活の時期に米国に短期留学をしていて、帰国したときには既に新卒採用はどの会社も終了していました。完全に時機を逸しました。「どうしたものか?」と途方に暮れていたところ、マッキンゼーが通年採用していることを知り、試しに受けたところ採用が決まり、入社することにしました。
当時は、まだ終身雇用が当たり前の時代。永久就職のつもりで入ったところ、どうも事情が違う。毎月2~3人が辞めては、新しく入ってくる。よくよく聞いてみると、マッキンゼーの人たちは長くても10年くらいしか勤めないとのこと。「自分のキャリアは自分で考えないといけない」と入社してから気づきました。そのとき、「例えば5年ここで働くと32歳。その歳で初めて事業会社に入るのはどう考えてもきつい」その後のキャリアのことを考えて、「早めに事業会社に移っておこう」と思い、2年ほどでマッキンゼーを辞め、スリーエムに転職しました。
スリーエムはポストイットをはじめ新商品を数多く開発することで有名な会社。私も、新規ビジネスを立ち上げるためのプロジェクトマネージャーとして働くことになりました。結局、ここで7年ほど過ごしましたが、次第に「単一のプロジェクトだけでなく、経営全般を見る立場で仕事をしたい」と思うようになりました。そんなとき、人材紹介会社の人から「リプロセルという会社が経営者を探している」との話がありました。「面白そうだな、人の役に立ちそうな仕事だな」と単純に思って転職し、同社の社長に就任しました。36歳のときです。
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