リーダー語録:栗原菜緒さん4
起業後は財布に数十円しかなかったことも・・・
起業後は、まさにゼロからのスタートでした。まずは、自分がデザインしたランジェリーのコンセプトを資料にまとめ、生産してくれる工場探しから始めました。工場に片っ端から電話をかけまくりましたが、全く相手にされない。たとえ会ってくれても、「そんなの売れるわけがないよ」と馬鹿にされる。あるいは、「これはあり得ない」という法外な金額を要求されて足元を見られる。厳しい現実に直面しました。ただ、一つだけ、「ここまで具体的にブランドを考えているところは他にないよ。やってみよう!」と言ってくれ、生産のメドが立ちました。次は、「それをどのように売り出していくか?」です。
これには、一つ考えがありました。私は外交的な性格で、子供の頃から都心で遊んでいたり、友達も多くいました。学生時代に、それを事業家の兄に話したところ、「いくら多くいても、きちんと活用できなかったら人脈とは言わないんだぞ」と言われたんです。「悔しい!」負けず嫌いの性格なので、「起業したら、絶対に自分の人脈を活かそう!」と思っていました。そこで、初めての商品お披露目会には、友達に連絡して、たくさん来てもらいました。その様子が新聞に掲載もされました。また、伊勢丹や高島屋のバイヤーが興味を持ってくれ、両方でデビュー期間限定ショップを開催。それ以来、他の百貨店からも連絡が来るようになり、ビジネスを軌道にのせていくことができました。
今から思うと、準備から実際にお金が入ってくるまでにかなりの時間がかかりました。本当に恥ずかしいお話ですが、財布に何十円しかないときもあったほどです。それを乗り越えられたのは、卒業後ずっとバイトや仕事を転々とし、自分の居場所を見つけられなかったというコンプレックスが根本にあります。「もっとできるはずなのに、なんでこんな境遇なの?」とずっと思っていました。でも、「今度こそ自分の居場所、存在意義をみつけよう!」と必死に取り組んだ結果、つらい時期を耐えることができたのだと思います。
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