リーダー語録:栗原菜緒さん3
ヨーロッバのデザインと日本の機能を融合したランジェリー
ミラノでは、ファッションスクールのランジェリー科に入りました。でも、授業では何も教えてくれない。そのかわり、しきりに「あなたの頭の中にあるものをまず出しなさい」と言われました。「そうか、学ぶことじゃないんだ。答えは自分の中にあるんだ」それからは、色やデザインなどの基本的な技術を学びつつ、自分自身と格闘していました。デザインは学べたので、今度は生産から販売までの流れを知りたくなり、インターンをしようとフランスとイタリアのブランドに応募しました。
返事を待っているとき、いとこがオックスフォード大出身のインド人とイタリアで結婚式をあげることになり出席しました。そこで、新郎側の出席者からイギリスのブランドに勤めている人を紹介され、会いに行きましたが産休で会えず。そのことを伝えたところ、「あなたはブランドを立ち上げたいんでしょ?なんで遠回りするの?」と言われました。そのとき、腑に落ちました。「そうか、やりたいことがあるなら、すぐにやったらいいんだ。もう始めよう」そう決めて、すぐ帰国し、「NAO LINGERIE(ナオランジェリー)」という自社ブランドでランジェリーの製造販売をするfor Grace株式会社を立ち上げました。
ブランドのコンセプトは、ヨーロッパのデザイン性を活かしつつ、日本の機能性を取り入れ、かつ日本の文化に合うランジェリーです。ランジェリーは、日本では戦後からつくられました。機能はいいけど、西洋の服に合わせるため、針金を入れたり、かなり無理している部分があります。一方、ヨーロッパはデザインがいい。でも、薄いレース一枚で肌が透けて見える。それは、日本の文化や感性には合わない。それにヨーロッパでは、仕事が終わったら、一度自宅に帰ってドレスアップして出かける習慣があります。だから、仕事中は機能的なものを着て、自宅で高級なものに着替えることができる。でも、日本では仕事帰りにそのまま出かける。「デザインだけでなく、機能性も兼ね備えたランジェリーをつくろう!」そう決めました。
価格についても、自分なりのこだわりを持ってつけました。ヨーロッパの高級品は、3〜4万円くらい。日本の機能的なものは、7〜8千円。そこで、その中間の2万円にしました。これは、自称、ランジェリーおたくで、これまでに400着以上買いまくった私の経験から、適正と判断した結果です。ランジェリーは、高級から低価格のものまで、ほとんどのブランドのものを持っているので、値ごろ感は確かだと思って決めました。
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