リーダー語録:杉元崇将さん6
また、売上目標の未達の原因として、海外進出につまずいたこともあげられます。2000年初頭の中国はGDPが年15%も伸びていて、国策で高級ホテルが次々と建設されていました。ここに大きなビジネスチャンスを感じ、中国に向けトップ営業を繰り広げましたが、相手が一枚も二枚も上手で交渉をまとめることができない。相手の交渉能力がものすごく高かったので、一緒に食事をしたとき、その秘訣を聞いてみました。すると、「中国では国策として毎年、優秀な人材を米国などのビジネススクールに送りMBAを取得させていて、私もその一人」とのこと。「なるほど」と思いました。
アジアでビジネスを展開するには、このようなアジアの優秀な人達と渡り合っていけるように経営能力を高めていかないといけない。そのためには、もっともっと勉強しないといけない。しかも、それは私だけではなく、PDPの組織全体で取り組んでいかないといけないと強く思いました。そこで、「この会社では学ぶのが当たり前」という「学びの文化」ををつくろうと、「PDPカレッジシステム」を導入しました。ここでは、ビジネスで必要な「スキル(技術)」だけでなく、「人格(心)」の形成にもつながる独自のプログラムを提供していて、全メンバーの受講を必須としています。
また、PDPカレッジのスタートと合わせて、私はグロービス経営大学院(MBA)に入学し、働きながら大学院で学ぶ二足の草鞋を履く生活をスタートさせました。トップ自らが率先して社外で学んでいる姿を見せることで、メンバーも自主的に学ばざるを得ないという状況を作り上げる戦略でした。私は、3年かけてMBAを取得しましたが、経営を体系的に学ぶことができましたし、ケースメソッドを通じて、たくさんの意思決定体験をすることで、経験値を上げることができました。また、MBAで一緒に学んだ方がPDPに入社したりするなど、多くの素晴らしい仲間と知り合うこともでき、とても貴重な3年間でした。
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