リーダー語録:杉元崇将さん4
出向して2年が経ち、起業の目標にしていた28歳になりました。そのとき、イトーキの本社に戻るように言われました。愛社精神もあったので、「このまま残るのもいいかな?」とも思いましたが、自分の軸を再確認したところ、「起業する」との方向性に変わりはありませんでした。ただ、当時は自分が起業できる状況にありませんでした。起業のネタはなく、人脈もない。上場や再生の経験はあるが、スタートアップの経験はない。そんなとき、オリジナルウェディングを提案する、創業間もないプランドゥシー(PDS社)に出会いました。「社長のビジョンも素晴らしいし、何より0→1(スタートアップ)を経験する機会」と思い、「ここで2年間勉強させて頂き、30歳で起業する」との目標を新たに定め、同社に入社することにしました。
実は、ウェディングビジネスは起業ネタの一つとして以前から考えにはありました。イトーキに入社して間もなく、会社の先輩の結婚式に出席したのがきっかけです。社会人になって初めて出たその結婚式は想像以上に素晴らしく、披露パーティーは本格的なフレンチレストランのよう。福岡で出た親戚の結婚式とは全くの別物。新郎新婦は感動の涙ですし、何よりもおしゃれで、とても感動しました。
そのとき、「東京の結婚式には何か重要な仕組みがあるはず」と思って、土曜にホテルで配膳や皿洗いのバイトをしました。でも、いくら調べてみても特別な仕組みがない。「ということは、結婚式というコンテンツに何かしらの編集を加えて仕組化すれば、新しいビジネスモデルが生まれる」と考えていたのです。PDS社はまさに自分の考えに近いビジネスを、ちょうど立ち上げたばかりだったのです。そこで2年間、ウェディング事業を勉強し、30歳になったタイミングで同社を卒業。レストランウェディングを主軸事業とするポジティブドリームパーソンズ(PDP)を立ち上げました。
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