リーダー語録:杉元崇将さん3
26歳の試練を乗り越え、30歳で起業
イトーキに入社して数年後にバブルが崩壊しました。そんなこともあり、入社4年目、26歳のとき、ある問題を抱えたイトーキの子会社へ出向することになります。与えられたミッションは、「子会社の黒字化」と「ビジネスモデルの再構築」。肩書きは課長でしたが、そこでの仕事は再建を任された経営者のようなもの。社員20人ぐらいの小さな会社でしたが、初めて企業経営を体験することになりました。起業を目指していた私にとっては経営を学ぶまたとないチャンス。この2年は、人生で最も仕事をし、最も勉強した期間でしたが、同時に最も苦しい時期でもありました。
経営の経験が全くないので、わからないことだらけ。特に骨が折れたのは銀行との折衝。当初は、再建への想いを熱く伝えれば銀行はお金を貸してくれると思っていました。でも、熱意だけではダメで、説得力のある中期計画を提示できないと銀行はお金を貸してくれないことを初めて知りました。BSやPLを一から勉強し、キャッシュフローの重要さも学びました。週末や平日の夜はビジネス書との格闘。また、イトーキの経営企画の方に再建計画の作り方を教えてもらう。まさに死に物狂いで勉強しながら、いくつもの課題を乗り越えていく。そんな日々を過ごしました。
最終的には、ダウンサイジングするしか道はなく、子会社の規模は当初の「年商12億円、20名」から「年商9億円、12名」と縮小することになりましたが、2年で黒字化とビジネスモデルの再構築を実現することができました。その過程では、リストラを行う側のつらさを身を持って経験しました。対象者は全員が私よりも年上でしたが、トップとして断行しなければいけない。この再生の経験から、起業後に会社を存続させるための大切なノウハウを学び、会社経営の基礎を身につけることができたと考えています。
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