リーダー語録:杉元崇将さん2
大学2年のとき福岡のバーでアルバイトをしていました。そのとき、お店の常連だった佐藤さんという一人の起業家と出会います。佐藤さんは、広告関係の会社の経営者で、スタッフや仕事仲間とカウンターで飲んだ後、中洲のクラブへ繰り出す。会話を聞いていると、仕事への情熱や人望の厚さ、器の大きさなどが伝わってくる。それに、いつもセンスのいいファッションに身を包み、醸し出す雰囲気がとにかくおしゃれ。立ち居振る舞いや話し方、考え方などのすべてが当時の私にとって憧れでした。
佐藤さんは、なぜか私のことを気に入ってくれて、「杉元君、これからラーメンを食べに行くから、一緒においでよ」と誘ってくれるようになりました。いろいろと話をしていると、仕事と人生を思いきり楽しんでいることが伝わってくる。当時、佐藤さんは42歳。起業した年を聞いたら28歳とのこと。そのとき私に明確な目標ができました。「佐藤さんのようなかっこいい経営者になる!」「絶対に28歳までに起業する!」と決め、周りにも公言するようになりました。
就職活動をするときは、28歳で起業するとの目標から逆算し、「起業に役立つ会社」という視点で企業情報を調べました。当時はバブル絶頂期で内定をいくつももらいましたが、最終的に、創業100年を迎えるオフィス家具を扱うイトーキへの入社を決めました。理由は二つ。一つは、上場を翌年に控えていて、企業の上場前後を経験できることに魅力を感じたこと。二つ目は、社長の話に共感したこと。「オフィス家具が会社の環境を変え、CI(コーポレートアイデンティティ)を構築する重要なアイテムになる。そして、イトーキは日本のオフィスを変えるイノベーターになる」という話を聞いて、興味を持ちました。「ここで頑張れば必ず起業への道が拓ける!」ここから社会人生活が始まります。
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