リーダー語録:大森洋三さん6
私は、これまでに世界を相手にビジネスをしてきましたが、もっとグローバルに活躍し、世界で認められる日本人をつくっていきたいと考えています。日本人は、和を尊ぶ精神があり、周りと仲良くすることを重視します。それは良いことですが、仲の良さは弱さにつながることもあります。それよりも、世界で担うべき強さを持ってもらいたい。それには、相手の意見をしっかり聞き、自分の意見も率直に言うことが必要です。そして、知識と経験、プラス意志を持つことも大切だと思っています。
先のウォルマートの案件では、日本だけでなく、中国、インド、韓国などからも売り込みがあり、壮絶なバトルをしました。そのときに知り合った韓国人は、「私は片道航空切符で来た。この案件がとれなければ帰れない。だから君達にも決して負けないように死ぬ気で取り組む。そして、晴れて案件を勝ち取ったらファーストクラスで帰る」と話していました。一方、私は往復切符を持ち、そこまでの意気込みはありませんでした。世界で戦うには、これくらいの覚悟が必要だと痛感した瞬間でした。
また、サッカーのW杯をテレビだけでなく、インターネットでも見れるようにしたいと、飛び込みでチューリッヒにある国際サッカー連盟(FIFA)に提案に行ったことがあります。すると、「権利をつくってくれたら、考えてもいいよ」と言ってくれました。その後、権利づくりに奔走し、6週連続でスイスまで日帰りの出張を繰り返した結果、契約締結に至りました。相手から、「これで決まったね」と言われた瞬間は、さすがにウルウルきました。その後、FIFAの会長やベッケンバウアー氏と一緒に試合を観戦したりもしています。
これまでにいろいろな経験をしてきましたが、まだまだ道半ばで、これからも世界に目を向けてチャレンジを続けていきたいと思っています。まずは自分が走って、その姿を見せる。それが大事なことだと思っています。
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