リーダー語録:倉貫義人さん1
社内ベンチャーで商売の原則を知る
私は、子供の頃からプログラミングが好きでした。そんなこともあり、大学卒業後はTIS(旧東洋情報システム)に入社し、プログラマとして受託開発などを担当しました。でも、入社してから、「日本のプログラマはクリエイティブではない。人海戦術でやっているけど、うまくいっていない。特に大きなプロジェクトほど失敗している」と気付きました。「自分が本当にやりたいことを、もっとクリエイティブに実現させたい」そう思っていたとき、米国発で出てきたアジャイル開発に出会いました。
アジャイル開発とは、顧客と共同作業で、少しずつ確認をしながらプログラムを修正し、仕上げていく開発スタイルです。このスタイルの方がエンジニアと顧客の両者にとって気持ちがいいはず。日本でも広めていこうと仕事と並行して、執筆をしたり、講演をしたりと啓蒙活動を始めました。その後、社内で異動があり、エンジニアの情報共有を行うための社内向けシステムの開発を担当することになりました。これが好評で、他社にも販売することになり、TISの社内ベンチャー第一号として事業がスタートすることになりました。
これまでエンジニアの仕事しかしてこなかったのに、いきなり社長として経営をすることになりました。経営も営業のことも知らない。そんな状態だったので、製品が全く売れない。当初は、「いいものをつくれば売れる」と思っていました。でも、まだ世の中にないシステムだったので、コンセプトが全く理解されない。それではと営業に関する本を読んで、見よう見まねで営業してみる。でも売れない。「製品ばかり見ていて、顧客を見ていなかった。会議室の中だけで企画を検討していたのがダメだったのかも」その反省から、顧客のニーズを聞いて、何が困っているか聞いてみようとテレアポを開始。リストをつくって電話をかけまくりました。それでもなかなか売れない。
そのとき気づきました。「自分たちは、営業は好きでないし、得意でもない」と。「もうアウトバウンドをやめて、インバウンドだけにしよう」そう決めました。WEBを通じて、自分たちが持っている情報を全部出そう。システム導入のノウハウまで全部惜しげもなく提供しよう。営業をせず情報発信だけをすることにしました。新しいシステムの導入を検討するとき、担当者はまずWEBで調べるはず。そのときに情報をWEBに載せておけば検索で引っかかるはず。そのように方針を切り替えてから、問い合わせは減りましたが、WEBを見て当社の考えに共感してくれるファンが現れ、受注してくれました。
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