MBAホルダーの本音70~MBA前後のキャリア目標21~ 

2016.09.04 (日)

質問者

その方は、ニューヨークに残ることを反対されたんですか。

それはどうでしてですか?

 

渡邊

「英語を話せるようになりたいという理由だけで残るのは良くないよ」

「それよりも、やりたい仕事をやる方が絶対にいい」

「今だったら、自分がこれをやりたいって言えば、人事は聞いてくれるはず」

「だって、ニューヨークには残れないので、必ず別の部署に異動になるんだから」

「きちんとした理由があれば、好きな部署に確実に異動できる千載一遇のチャンスだよ」

「君は何がやりたいの?」

そう言ってくれたんです。

 

質問者

なるほど。英語だけでは動機が弱いと。

それに、むしろ今がチャンスだから、ちゃんと考えなという感じですか。

 

渡邊

そうですね。それを聞いて、目が覚めた気がしました。

ずっと、職場で英語ができないことがコンプレックスで、そっちに気を取られていたんです。

「英語を話せるようにならなきゃ。ちゃんと聞けるようにならなきゃ」って。

それができないと、仕事にならないわけですからね。

 

でも、そのために自分の好きな仕事に就けるチャンスを逃すのはもったいない。

自分の本来の目的は何か?キャリアの目標は何か?って考えたんです。

すると、「あ、自分はM&Aがやりたかったんだ」って思い出したんですね。

で、「学生時代からM&Aがやりたいと思っていたんです」と言いました。

そうしたら、「あ、いい方法があるよ」って言ってくれたんです。

 

質問者

目の前に心配事とか不安があると、そればっかりに気を取られることってありますよね。

でも、他の人と話すことで気づきがあったんですね。

 

渡邊

はい。それに、自分では知らないことまで教えてくれたんです。

当時、日興証券は米国のブラックストーン社というM&Aの会社と提携していたんですね。

その会社は、マンハッタンにあって、そこに本社から日本人を2名、2年間派遣していたんです。

だから、「まず、日本でM&Aの部署に入って、何年かしたら派遣で戻ってくればいい」

そうアドバイスをしてくれたんです。

もう目から鱗で、「それだ!」と一気にキャリアの道が見えた感じがしました。

 

(*)インタビューは2009年12月に行われました。

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