リーダー語録:工藤元さん1
香港駐在で学んだことは、仕事の枠を取り払い、誠実に対応することの大切さ
私は大学卒業後、大手アパレルメーカーに入社しました。新人当時はイケイケのところがあって、よく上司にもつっかかるところがありました。ある日、あまりにも理不尽なことがあったので、怒りにまかせて会社や部門の問題点とその対策をレポートに書いて提出しました。会社を辞めてもいいと思ってしたことでしたが、それを読んだ上役の方から思いがけず評価をしていただき、それ以来、いろいろなチャンスを与えてもらいました。
29歳のとき香港駐在の辞令が出ました。当時は管理職の人が行くことになっていたので、この歳で行くのは異例のことでした。鼻高々で香港に行きましたが、現実は想像を超える厳しさでした。現地の人が全く私の言うことを聞かないのです。言ったことをやらない、納期も平気で遅れるなど日常茶飯事でした。それでよく喧嘩になりました。でも平行線で折り合いがつかない。そんな状態が半年ほど続きました。
変わり始めたのは、私自身が「仕事の枠」を取っ払ったことです。それまでは、「私の仕事はコレとコレ」という風に仕事の範囲を決めていました。「ココから先はアナタの仕事」と考えて、範囲外のことには無関心で、サポートもしなかったのです。それが、必要に駆られてのことですが、「何でもやる」という姿勢に変わりました。自分の領域外のことでも「一緒にやろう」と現地の人に働きかけをしました。
そして、一つ一つの仕事を誠実に対応することも心掛けました。自分が変わったことで、相手からも信頼されるようになり、その後は比較的スムーズに仕事ができるようになりました。
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