リーダー語録:山崎大地さん4
専業主夫になってから目標を見失いウツになる
当時、宇宙飛行士だった妻の仕事の関係で専業主夫になりました。日本にいる間は、筑波で子育てをし、鎌倉にいる親の介護もあったので、両方を行ったり来たりしていました。その後、妻の渡米に合わせて家族で米国に移りました。ただ、外交官ビザだったので、私は米国で仕事ができなかったんです。アルバイトもダメ。それに一人で携帯電話も買えない。携帯ショップに行ったら、「働いてないんだから払えないでしょ。奥さんに買ってもらいなさい」と言われる始末。一人で何もできないことに無力感で一杯でした。
それに米国では共働きは当たり前。なのに自分はルール上、働けない。自分の境遇に誰も共感してくれない。子供を保育園に送ると一人ぼっち。孤独になる。NASAのそばに住んでいたので、昔の同僚や妻は夢を追いかけて輝いている。でも、自分は家庭だけ。次第に追い詰められていく。イライラが募る。やりきれない思いから妻にあたる。すると、「だったら自分の仕事辞めなきゃ良かったのに…」と言われました。そのとき、自分が何で仕事を辞めたのかがわからなくなり、うつ病になりました。
当時は、死ぬことしか考えていませんでした。睡眠薬を飲んでも眠れない。今の生活より死んだ方が楽。「よし死のう!」と自殺の覚悟を決めました。そのとき、走馬灯のように子供の頃からの人生が脳裏によぎりました。「あぁ、俺の人生、こんなところで終わるのか」と。同時に、「親より早く死ぬのは親不孝だよ。親より一日でも長く生きない」と言われたことを思い出しました。その言葉でどうにか思いとどまりましたが、「夢や目標がないことほどつらいものはない」とつくづく思います。やりたいことがあれば、どんなにつらくても楽しい。でも、やりたいことができないのは苦でしかない。それからは、「2010年に妻が宇宙に行くまでは今の生活をやり遂げよう」と気持ちを切り替えました。
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