リーダー語録:小出浩平さん1
19回連続で役員会に企画書を提出して新事業を立ち上げる
私は大学卒業後、戸田建設、ミスミを経てワタミに入りました。入社してすぐ、「風力ビジネスをやりたい」と思い、事業プランを考えて企画書を書き、役員会に提出しました。東日本大震災の前のことです。まだまだ電力への関心は低く、新電力(PPS)といっても「何それ?」と言われたほどでした。
また、固定価格買取制度(FIT)も導入されていなかったので、「採算が合わない」と役員会で猛反対にあいました。ただ、「自然エネルギーへシフトしない限り、地球の未来はない」との想いもあり、役員会があるたびに企画書を修正し、提出を続けました。提出すること19回、ようやく風力ビジネスの立ち上げが正式に決議されました。
その後、建設予定地である秋田県にかほ市に役員と実際の現場を見に行く日も確定。「これでようやく努力が報われる」。その矢先に震災が起こりました。見学予定日の2日前のことです。
こうなると、「風力なんて言っている場合じゃない」と一旦、見送りとなりました。ただ、「一緒にやろう!」と言ってくれた他の企業の想いを震災を理由に無駄にしたくなかった。そこで、会社に掛け合いました。実は、そのときからカバンに辞表を入れています。「建設までこぎつけられなかったら、他の企業に申し訳が立たないので責任をとる」。そんな想いでいました。その後、何とか建設することができ、紆余曲折の末、風力ビジネスがスタートしました。
そのとき、「これをやるべき」と真心を持って想ったことは、それが義に沿っているなら、いつか神風が吹いてくれる。そんなことを思いました。ちなみに、「あきらめない。あきらめない。あきらめない。あきらめなければ道は拓ける」。これは私の座右の銘です。
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