リーダー語録:大嶋潤子さん1
32歳で突然失明し、絶望の淵をさまよう
私は、20歳のときから司法試験の勉強を8年続けました。法律事務所を経営していた父から、長女だった私は、「弁護士になって、後を継ぎなさい」と耳にタコができるくらい聞かされて育ちました。他の道を選ぶ選択肢がなかったんです。でも、私自身はアート系が好きで、高校時代は写真部に入るほど。夏休みにモデルの撮影をしたりして、将来はアート系の学校に行きたいと思い、父に伝えたら、「親子の縁を切る」と言われました。
大学は法学部に入りましたが、しばらくは部活(馬術部)に熱中。父から、「早く勉強を始めなさい」と言われ、法律の勉強に没頭していきました。この8年は、遊んだ経験がほとんどなく勉強漬けの日々。試験には受かりませんでしたが、8年目に、「自分は法律が好きじゃないんだ」と初めて気づきました。合格した友人は、みんな三度の飯より法律が好きという方ばかり。でも、自分は違う。この世界から足を洗って、結婚し、専業主婦になりました。でも、平穏な日々も束の間のことでした。
32歳のとき、突然失明しました。家事どころか、自分のことも何もできない。私のわがままで、離婚して実家に戻りました。「この先、どう生きていけばいんだろう?」絶望的な気持ちになり、しばらく寝たきりの生活をしていました。ただ、お腹の中に赤ちゃんがいたんです。でも、その子が生まれてきても、「目の見えない私が、この子に何ができるんだろう?」そう悩み、考えていたとき、ふと心の目に「不屈の精神」という言葉が映りました。黒字の縦書きで、はっきりとその五文字が見えたんです。「そうか、不屈の精神か。私の生き様を見せることで、このことを一生かけて子供に教えよう!」そう決意したとき、失明してから初めて涙が出ました。
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