リーダー語録:北原照久さん2
小学校からテストは名前だけ書いて白紙で出していたので、当然0点。ただ、何とか入学できた高校一年の中間テストで60点をとることができたんです。なんてことはない、すべてABCの三択のテスト。えいやで○をつけたら60点。そのとき、担任だった澤邊利夫先生が感激して「お前すごいじゃないか!やればできるじゃないか!」って褒めてくれたんです。本当に嬉しかった。「あ、自分はやればできるんだ!」と素直に思いました。それから次の期末試験に向けて猛勉強を開始。でも、これまで勉強したことがないので、勉強のやり方がわからない。そこで教科書を丸暗記することに。すると、今度は70点がとれました。沢辺先生は、もっと喜んでくれました。
それからは先生に褒められたい一心で、生まれ変わったかのように勉強に打ち込みました。すると、ビリから800人ごぼう抜きで学年トップの成績になったんです。卒業式では総代を務め、大学にも進学することができました。先生から言われた「やればできる!」この一言で僕の人生が変わりました。たった一つの言葉で本当に人生が変わったんです。そのとき、「言葉にはすごいエネルギーがあるんだ!」と思いました。僕は、モノのコレクターでもありますが、実は言葉のコレクターでもあるんです。それは、子供の頃に言葉が持つ力を実感したからなんです。
大学生のとき、オーストリアのインスブルックに留学しました。ヨーロッパには古いものを大切にする文化があります。ホームステイ先だった家庭でも、暖炉の上に年季の入った銅鍋を飾っていました。そして、「これはひいおばあさんの代から使っている鍋なの」と話しながら料理をする。すると、どの料理もとてもおいしく感じられる。「あー、古いものを大切にする暮らしっていいな」このときの体験が古いものに興味を持つきっかけになりました。
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