リーダー語録:北原照久さん3
帰国後、近所で粗大ゴミとして捨てられていた古い柱時計を拾いました。持ち帰って家で油を差したら動き出しました。実は、これが僕のコレクション第一号なんです。それから骨董屋で時計やラジオ、レコードなどを集め始めました。僕は「ブリキのおもちゃ」のイメージが強いと思いますが、最初は「生活骨董品」を集めることに興味があったのです。その後、子供時代によく遊んでいて壊してしまったブリキの消防車と全く同じモノを発見してから、「ブリキのおもちゃコレクター」としての道を歩み始めるようになりました。
37歳のとき、「これまでに集めてきたコレクションを展示する博物館をつくろう」と株式会社トーイズを創業。横浜の山手に「ブリキのおもちゃ博物館」を開館しました。「好きなことをビジネスにする」という夢を実現させるための起業でしたが、社員はたったの3名。おカネはコレクションを買うためにすべて使っていたので貯金はゼロ。カネなし、人脈なし、ノウハウなしの「3なし状態」からのスタート。銀行は全く相手にしてくれないので、保険会社から1500万円借りました。でも、すぐに底をつく。それからもおカネの面では相当苦労しました。
つらいときをどう乗り越えたのか?僕は4つのことを心掛けてきました。①人が喜ぶことをする、②自分の幸せに気づく、③悪い言葉を使わない、④幸せのふりする。特に最初の頃は、幸せなふりをして、楽しそうに振る舞っていました。おカネの面では苦労していたけど表に出さない。貧乏くさいことは一切しない。ある意味、やせ我慢です。武士は喰わねど高楊枝の精神です。でも、そうしながら、自分のやる気や夢を熱く語っていると、応援してくれる人が次々に出てくるようになりました。
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