MBAホルダーの本音73~MBA前後のキャリア目標24~

2016.09.07 (水)

質問者

昔は、そういう先輩と後輩、縦の関係というんですかね。

先輩が後輩に仕事を教える。人生について語る。そんなことが多かったと思うんです。

でも、日本企業でも終身雇用が崩れ、年功序列も崩れていった。

外資が入ったりして、成果主義に移行する企業が増えていった。

すると、自分のことで精一杯で、なかなか後輩の面倒を見ることができなくなった。

そう言う話をよく聞くんですが、この先輩はちょっと違いますよね。

 

渡邊

時代的には、まだ年功序列が主流でしたので、そのときは普通の感覚はありましたよ。

その前の営業のときも、よく先輩にお客さんのところに連れて行ってもらいましたから。

「こういう風に話すから、良く見ておけ」って。

面倒見のいい先輩ほど、できる先輩ほど何度も連れて行ってくれましたね。

 

だから、当たり前というと少し大袈裟ですけど、まあ普通のことかなと思ってました。

ただ、ニューヨーク駐在の他の方は、あんまり相手にしてくれなかったですね。

慣れない英語を使って、外国人相手に仕事をしているので、自分のことで精一杯。

成績が上がらなかったら、すぐ日本に戻されるという過酷な状況にいましたから。

とても、後輩の面倒を見るという状況ではなかったんですね

しかも、私は、当時25歳で、圧倒的に年下だったんです。

 

質問者

だいたい何歳くらいの方が多かったんですか?

ちなみに、何人くらいの日本人が働いていたんですか。

 

渡邊

ニューヨークの現地法人は全体で250人くらいだったと思います。

その中で日本人が30人。現地化を進めていたので、意外に少なかったです。

年齢的には、ほとんどが30歳以上の方で、いわゆる中堅と呼ばれるレベル。

バリバリ稼ぐ年代の方々でした。

 

その中で、入社3年目で25歳というと、まあ面倒くさい後輩なんですね。

まさに手取り足取り教えないといけないレベルですから。

「こんな奴に構っている暇はない」という雰囲気はありましたよ。

もちろん、口に出す方はいませんでしたが、態度でわかりますよね。

そんな中で、例の先輩だけは、それこそ手取り足取り教えてくれたんです。

今から考えると、とても有難く、感謝しています。

 

(*)インタビューは2009年12月に行われました。

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